エータ法律事務所ブログ:相続手続のお話4

みなさんこんにちは。
エータ法律事務所の弁護士政岡です。


今回は、相続に関するお話の4回目になります。


前回までで、遺産の範囲、相続人の範囲、
遺産の評価方法などについて簡単に説明しました。
今日は相続人の取り分(相続分)についてご説明します。


民法上では、
亡くなった方に配偶者(奥様やご主人)がいた場合には
その方は必ず相続をすることになり、
存命が配偶者だけなら100%ですが、


①配偶者と子供の場合:各1/2ずつ
②配偶者と父母の場合:2/3と1/3
③配偶者と兄弟姉妹の場合:3/4と1/4


となります。


配偶者がいなければ、まずは子供や孫だけで全て相続。
子供などもいなければ父母。
父母もいなければ兄弟姉妹という順番になります。


父母や兄弟姉妹、子供が複数の場合には、
基本的には、それぞれ平等な相続です。


婚姻外の子供については、
民法上は婚姻内の子供の1/2しか相続分が保証されていませんでしたが、
それは先般の最高裁判決で憲法違反と判断されました。
そのことは以前のブログでご紹介したとおりです(☆ここに、リンク貼る)。


兄弟姉妹だけが相続する場合で、
父母が異なる兄弟姉妹がいる場合には、
その人は他の兄弟姉妹の1/2の相続分になります。


なお、上で説明したことはあくまで法律が定めている割合で、
相続が始まった後に相続人同士の話し合いで自由に分け合えますし、
遺言でこれと異なる割合の相続を指定することも出来ます。


但し、遺留分という最低限の取り分は法律で保証されているので、
遺言でそれを下回る相続をさせることは基本的に出来ません。


相続財産の中に借金などのマイナスの財産がある場合に
気を付けなければならないことがあります。
相続人間(身内間)で誰が負担するのかを決めるのは、
遺言でも遺産分割協議でも自由ですが、
それはあくまで内部的な約束事に過ぎず、
銀行などの債権者には無理強い出来ません。


債務は法定相続分に応じて自動的に相続されることになるので、
銀行は相続人に対して
法定相続分に応じた借金の返済請求が出来ることになってしまいます。


そこで、借金がある場合には、
現金や預金でそれを返済し、
残ったものを現実にどう分けるのか、
という流れで話し合いをすることが大切でしょう。


どうしてもあの相続人には財産を渡したくない!


という場合には、廃除(はいじょ)や
遺留分の生前の放棄などの手続きがありますが、
それは次回以降にご説明したいと思います。


エータ法律事務所では、
遺言書の作成や遺言内容の実現(遺言執行)、
遺産分割協議や調停のご依頼を多く受けております。


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