エータ法律事務所ブログ:相続関係の豆知識2(遺言)

皆さんこんにちは。

エータ法律事務所の弁護士政岡です。

 

今回も、相続関係で良くご質問がある事項について

ご紹介したいと思います。

 

Q.公正証書で作る遺言と直筆の遺言だと、

  どちらが優先するの?

 

遺言には、大まかに言って、

直筆で作成する自筆(じひつ)証書遺言と、

公証役場の公証人に作ってもらう公正証書遺言があります。


自筆証書遺言は、

遺言を残す人が全文を直筆で作成し、

日付や署名押印などの決められた様式を守らなければなりません。


その様式をクリアした有効なものであることを前提にすると、

この自筆証書遺言と公正証書遺言で、

どちらかが必ず優先するという関係にはありません。


遺言は、いつでも作り直すことが出来るのですが、

優先関係でいえば、時間的に後に作られたもの、

要は最新のものが優先するということになります。


公正証書だから優先する訳ではありませんので、

例えば平成25年に公正証書で遺言を作った方が、

平成26年になって、

思い付いてスーパーのチラシの裏に直筆で遺言を書いた場合には、

そのスーパーのチラシの裏の遺言が優先します。


なお、例えば、

平成25年に不動産と預金と株式について遺言を作成し、

平成26年には不動産についてだけ遺言を書いた場合には、

重複している不動産については平成26年の遺言が優先しますが、

平成26年の遺言に書かれていない預金や株式のことについては、

平成25年の遺言しか存在しませんので、

その遺言に従うことになります。

 

 

公正証書で遺言を作れば公証役場のチェックが入りますが、

自筆証書であればそのチェックが入りません。


せっかく作成しても、

かえって相続人間の争いのもとになることもありますので、

出来れば専門家などの第三者の目を通し、

漏れが無いようにしたいものですね。