夫婦別姓、再婚禁止期間についての動き

みなさんこんにちは。

エータ法律事務所の弁護士政岡です。

 

さて、今月、家族の関係や夫婦関係について注目すべき判決が出そうです。

現在の民法は、ご存じの通り、夫婦で同じ姓を名乗ることを強制しており、

また、女性にだけ、離婚してから6か月以内の再婚を禁止しています。


このことについては、昔から、個人主義や法の下の平等に反しているのではないかと議論が繰り返され、賛成や反対について様々な意見が出されていました。

これらの規定については、野党が民法改正案を出したり、法制審議会は選択的な夫婦別姓を導入することや再婚禁止期間の短縮を答申したりしています。

国際的には、国連の条約期間も、日本政府に対して撤廃を勧告しています。

ただ、大手新聞社が実施したアンケートなどでは、賛成や反対意見が拮抗しているようでもあります。

 

夫婦で同じ性を名乗ることは、昔から続く家族主義、つまり社会の構成単位として「家族」というものを大事にするために必要だという意見もありますし、女性の社会進出に伴って女性一人一人の個性や人格を尊重すべきであることから、強制はすべきではない(選択できるようにすべきだ)という意見もあります。

 

今回の裁判は、事実婚状態の夫婦の方々(原告)が起こした訴訟の上告審で、最高裁は、15人の裁判官で構成する「大法廷」という場で、1216日に判断を下すとしました。

一審も二審も、原告の訴えを認めませんでしたが、異なる判断が出る可能性があります。


女性だけ6か月以内の再婚を禁止する規定についても、父親が誰であるかをDNA鑑定で科学的に証明できるようになってきた現代では、もはや不要ではないかという意見がありますが、最高裁判所は、平成7年の判決では、父と子の関係をめぐる紛争の予防を目的としている以上、法の下の平等(憲法14条1項)に反しているとまでは言えない、と判断していました。

 

いずれの規定も、子供をめぐる家族の関係や夫婦の関係にとても大きな影響を与えている規定です。

 

12月に最高裁判所が下す判断は、これからの社会に与える影響が多大だと思いますので、判決やその後の動きに注目していきたいと思っています。