相続に関する民法改正の動き

皆さんこんにちわ。

エータ法律事務所の弁護士政岡です。

 

以前、最高裁判所の判決で、夫婦間の子供と不貞(浮気)相手との子供に設けられていた法定相続分の差について、違憲判決が出て、その点の条文の改正がありました。

それを受けて、相続に関する民法改正の動きがあります。

現在の民法では、配偶者と子供がいる場合の法定相続分はそれぞれ2分の1なのですが、配偶者に相続させる分を増やすべきではないかという考えが出ています。きっかけは、先般の違憲判決のようです。

 

というのも、以前の民法では、浮気相手の子供に相続される分が少なかったため、結果として戸籍上の家族に遺される遺産が多かったのですが、違憲判決後の民法改正で浮気相手の子供の相続分が増えたことで、以前より、戸籍上の家族に遺される遺産が少なくなりました。

 

戸籍上の家族制度を大事にしたいという自民党の一部議員が声を上げ、配偶者の相続分を手厚くしようという検討が法務省で行われています。

 

その検討チームによると、長期にわたった夫婦である場合には配偶者の相続分を3分の2にして子供の相続分を少なくするとか、自宅の居住権を認めて第三者に自宅が渡った場合にも一定の住居保証をするなどの案が検討されています。

 

法律はその時代の価値観を反映する相対的なルールで、相続分についても、実は1980年に配偶者の割合が上がった経緯があります。

 

今回の検討内容の中には、例えば、長男の妻などが年老いた義父母の介護をしていたような場合に、長男の妻が一定の金銭を相続人に請求出来る仕組みなども入っていますし、自筆遺言の作り方についても、パソコン利用を認めるなど、厳しいルールを緩和する方向の話し合いが持たれています。

 

 

どうなるかは不透明ですが、国民生活や相続に関する実務に大きく影響が出ますので、また続報でお知らせ出来ればと思っています。