皆さんこんにちは。エータ法律事務所の弁護士政岡です。
今回は、『保有し続けたくない共有不動産の処分』について少し考えてみました。
不動産の共有持分を持っている方から良くご相談を受ける内容としては、
大抵、他の共同所有者だけが使っている不動産をご自分でも使えるようにしたいとか、
管理方法や(例えばアパートなどのような場合)収益分配で揉めている、
分割して単独所有にしたいが土地の形や建物の構造の問題で現物の分割が出来ない、
売った代金の分配をしたいが反対している人がいるなど、
その不動産に資産価値や利用価値があるケースが殆どです。
しかし、たまに遺産相続絡みで、地方にある先祖名義の土地を処分したいが引き取り手がない、
というご相談を受けます。
最近、空家対策などが社会問題になっていますが、土地についてはより一層問題が深刻だと思います。
建物であれば、
解体してしまうことで税金の負担や廃屋がもたらす近隣への迷惑などは無くす事ができます。
しかし、土地を消滅させる方法は無く、いったん所有者になったら最後、廃棄処分も出来ません。
資産価値・利用価値が無ければ、購入する人はいませんし、地方公共団体も寄附を拒みます。
最近流行りの太陽光発電施設も、一定の広さ、日照時間(土地の方位や斜度)といった条件が
それなりに厳しいようで、発電業者が引き取れる土地にも限度があるようです。
そのような中で、何とか共同所有関係から離脱したいとお考えの場合には、
『共有持分の放棄』という制度があります。
これは、共同所有者が自分の持分を放棄すると宣言することで、
他の共有者に持分を一方的に押し付ける(税法上は贈与扱いのようです)ものです。
登記手続きの問題や税金の問題、押し付けられた共有者との人間関係など、
様々な点からの検討が必要になりますが、ドライに割り切れば、
厄介な共有不動産をご自身や家族から切り離すことが可能です。
私の周りで実例を見聞きしたことは無いのですが、もし機会があれば、
この制度を使ってみようかと考えています。
※エータ法律事務所では、共有不動産の処理についてのご相談や法的手続きのご依頼を承っております。
是非お気軽にお問い合わせ下さい。